

2017年にNTTドコモで導入された『eSIM』は、契約する通信事業者が変わっても交換が不要なSIMカードで、今後は現在のSIMカードに代わって「eSIM」が主流になるといっても過言ではありません。
本記事の目次
③SIMカードリーダーがなくても通信事業者を変更することが可能 ⑥eSIM第一号は『docomo M2Mプラットフォーム(docomo IoT回線管理プラットフォーム)』 ⑧いよいよ一般消費者を対象とした『eSIMプラットフォーム』が誕生 |
eSIMの概要
eSIMとは、Embedded Subscriber Identity Moduleの略で、遠隔操作によって通信事業者の変更を可能にした組み込み型のSIMです。
eSIM導入前のスマートフォン・ガラケーは、SIMカードで契約者を識別しており、通信事業者を変更する際には、SIMカードの交換作業が必要不可欠でした。
しかし、eSIMの導入後は遠隔操作によって通信事業者を変更することが可能になったのです。
eSIMは私たちにどのようなメリットをもたらすのか?
eSIMがもたらすメリットは次の2点です。
SIMカードリーダーがなくても通信事業者を変更することが可能
eSIMがなかった時代ですと、通信事業者の変更にともなう情報の書き換えには『SIMカードリーダー』が必要でしたが、eSIMの誕生後は、現在利用中の端末に挿入した状態で契約者情報の読み込みや、書き換えが行えるようになりました。
海外でスマホを使用する場合もプリペイドSIMの用意が不要
UQモバイル、IIJmioなどのMVNOでは、主にデータSIM、音声通話SIMの2つのSIMを取り扱っていますが、海外でインターネットや、音声通話を楽しむには、『ローミング』対応の音声通話SIMが必要不可欠です。
そのため、『eSIM』が誕生する前までは、データSIMのみを契約している方が海外でインターネットや、音声通話を楽しむとなった場合、プリペイドSIMを用意する必要がありました。
しかし、eSIMの導入後はプリペイドSIMを用意しなくても海外でスマホを使用することが可能になったのです。
eSIMの販売が明らかになるまでの道のり
NTTドコモが一般消費者向けにeSIM対応端末を販売することを明らかにしたのは2017年ですが、企業向けのプラットフォームに関してはすでに提供がスタートしていました。
ここでは、企業向けのプラットフォームの提供をスタートさせてから現在に至るまでの道のりを見ていきたいと思います。
eSIM第一号は『docomo M2Mプラットフォーム(docomo IoT回線管理プラットフォーム)』
eSIM第一号は、2012年12月6日に企業向けに販売をスタートした『docomo M2Mプラットフォーム』です。
これが誕生したことにより、車両、建設機器や情報機器などで使用する「ドコモ回線」と200を超える国・地域の通信回線のモニタリングや、問題発生時における原因究明をインターネット上の共通化された画面から簡単に行えるようになりました。
第二号はM2M機器対応のeSIM
eSIM第二号は2014年6月30日、車両、建設機器などのM2M機器に対応した企業向けのeSIMです。
かつてM2M機器の製造会社が国外の通信事業者の回線を使用する場合には、それぞれの国のSIMを製造の段階で組み込まなければなりませんでした。
しかしこのSIMの誕生後は、国外の通信事業者の電話番号を必要に応じて書き込めるようになったため、製造費の縮減にもつながっています。
いよいよ一般消費者を対象とした『eSIMプラットフォーム』が誕生
2017年2月23日、NTTドコモが『eSIMプラットフォーム』の開発を明らかにするまでには上記の通り、いろいろなことがあったわけですが、今後ドコモ系のMVNOにおいてeSIMが導入されれば、遠隔操作による契約者情報の変更が可能になるため、それぞれのMVNOのSIMカードに交換する必要がなくなります。
将来的にはeSIMがメインに?
格安SIMの利用者数が増えた現在においては、SIMカードの入れ替え作業を行う機会がかなり増えてきています。
ところが、SIMカードの入れ替え作業においては、新たに挿入するSIMカードのサイズが使用する端末に合わない、回線に対応していない、SIMロック解除を行わないと使用できないなどの問題が発生することがあり得るわけです。
今回ご紹介しているeSIMの普及率が高まり、スマホの製造会社でも様々な会社の電波に対応した端末を製造するようになれば、「SIMカードのサイズが使用する端末に合わない」などといった心配は無用になるでしょう。
ただ、eSIMが導入されると、将来的にSIMカードと端末が一体化するといったことも考えられます。
そのような状況になってしまうと、無料で利用可能な0SIMを試すために端末を購入するなどということが起きかねません。
この点に関しては、ドコモがeSIMの開発にどこまで力を入れるかによって、状況はかなり変わってくるでしょう。
かつては『ROM書き』が一般的でした
情報が書き込まれたSIMカードを入れ替えするというスタイルは最近になって登場したものであり、昔はパソコンとUSBを用いて端末そのものに情報を書き込むというスタイルが一般的でした。
ちなみに、このことを『ROM書き』といいます。
最近はすっかり下火になった『ROM書き』ですが、モバイルルーターの中には未だにこの技術を用いているものが存在するようです。
OTAにはないeSIMのメリット
SIMカードに契約者情報を書き込むという技術は『OTA(Over The Air)』といい、「端末の製造番号」、「SIMカード番号」の2つの情報を携帯センター側で登録を行った後に遠隔操作でSIMカードへの情報の書き込みが行われる仕組みとなっています。
一見すると『eSIM』と変わらないように思えてしまいますが、OTAの場合は専用のカードリーダーがなければ情報を消去できません。
一方、eSIMの場合は、カードリーダーがなくても遠隔操作で消去することが可能となっており、従来のSIMカードの不便さはなくなりました。
eSIM向けの端末をチェック
『eSIM』の先駆けとなったドコモでは、eSIM向けの端末の販売を始めていますので、ここでチェックしておきたいと思います。
NUUモバイルの『NUU X5』
『eSIM』があらかじめ組み込まれた端末で、2017年にNUUモバイルからアメリカで販売がスタートし、以下に示す通り、非常に優秀なスペックとなっています。
NUU X5のスペック(一部)
OS:Android 7.0
RAM:3GB
SoC:オクタコア 1.5GHz
Gear S2 Classic 3G with GSMA(スマートウオッチ)
『Gear S2 Classic 3G with GSMA』は「eSIM」を搭載したスマートウオッチで、サムソンより販売されています。
『Apple SIM』のメリット・デメリット
AppleのeSIM、『Apple SIM』は、全世界の通信事業者に対応しているため、このeSIMを
1枚持っているだけで自分の好きな通信事業者を選択することが可能です。
しかし、Apple SIMは一部のiPad向けとなっており、音声通話機能は備わっていません。
iPad(Apple)はすべての通信事業者の電波に対応しているため、機能的にはApple SIMと似た部分がありますが、各々の地域で発せられた電波しか使用できないAndroid OS端末の場合は、Apple SIMを導入しても使用できないことがあるという点に注意してください。
終わりに
『eSIM』は、これまでよりも簡単に契約者情報を書き込むことを可能にした時代を先取りするSIMカードです。
この技術が格安SIMでも導入されれば、「UQモバイル」から「楽天モバイル」に乗り換えるなどとなった場合もインターネット上から簡単に行えるようになることが期待できます。
それを考えると今後もeSIMからは目が離せませんね。

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