たとえば一人暮らしをスタートしたばかりの学生さんなら朝食は抜き、夜はレトルト食品ばかりになったり、毎日残業で忙しい新社会人の方なら「栄養よりもお腹いっぱいになればいいや。」ということでカロリーの高い不健康な食生活になるという人も多いはず。
「節約レシピ」は世の中にたくさんあるけれど、いくら節約しても栄養が偏ってしまったり、「食べる楽しみ」がなくなってしまったら意味がありません。そこで今回は「料理経験なんて必要ない!簡単、激ウマな和食の節約レシピ10選」をご紹介します。
2:胸肉とモヤシの梅ポン炒め
節約食材といって真っ先に思い浮かぶのが、年中いつでも手に入る「もやし」。ただ、もやしだけではボリュームが少なくてすぐにお腹が空いてしまいますので、もうひとつ食材を組み合わせましょう。鳥の胸肉も、肉類の中では激安な食材です。
「胸肉って、どうもパサパサして苦手だな・・・。」という人も安心してください。ゴマ油で香ばしく焼き上げた胸肉に梅肉入りの特製タレを回しかけ、風味たっぷりに仕上げることで、ジューシーなおかずが簡単に仕上がります。わかめを入れることでさらに栄養価もアップ。
(この献立の主な栄養素)
・鳥むね肉・・たんぱく質・ビタミンA(滋養強壮・眼精疲労緩和)
・もやし・・ビタミンC、食物繊維(美肌効果・便秘改善)
・わかめ・・ヨウ素、カリウム(代謝を活発にする・血圧降下作用)
・梅肉(梅干し)・・クエン酸・ミネラル(疲労回復・食欲増進)
3:200円以下でできる!激ウマ鯛茶漬け
「お魚と肉は高いから、野菜だけで献立を考えたいなぁ・・・。」という人、いませんか?野菜はたしかに安いけれど、栄養が偏ってしまいます。お魚もぜひ普段の食卓に取り入れましょう。安いお魚を入手するポイントは「魚のアラ」です。とくに鯛のアラは、ほほの部分にたくさんの肉がついていて、鯛から出るダシは絶品です。鯛のアラを使った献立は、給料日前にもうれしい食材で閉店間際だと値引き販売されていることも多いです。
作り方はいたって簡単。鯛のアラを強火で焼き、身の部分と骨に分けて身の部分をご飯にのせてお茶漬けにすれば出来上がり!絶品激ウマ和食にふさわしい1品です。
(この献立の主な栄養素)
・鯛・・カリウム(余計な塩分を体外に排出してくれる)
・お茶・・カテキン(抗酸化作用)
4:鳥ひき肉とひじき、豆腐で作る和風ハンバーグ
「ハンバーグを食べたいけど、お肉は高い・・・。」と思ったときは、迷わず「豆腐ハンバーグ」を作りましょう。牛肉や豚肉ではなく、比較的安価な鳥のひき肉に豆腐とひじきを加えれば立派なハンバーグになります。ひじきにはカルシウムがたっぷりですので、毎日の食卓に積極的に取り入れたい食材ですね。
しかも豆腐を使うとはいえ、面倒な水切りは不要で具材をひたすら混ぜるだけなので手間いらず。誰でも簡単に本格的な和風ハンバーグができます。ポイントは大根おろしを添えて、和風味にすることです。「日本人で良かった!」と思えるような、上品な味付けの栄養たっぷりな和風ハンバーグで、お腹も心も大満足間違いなし。
(この献立の主な栄養素)
・豆腐・・たんぱく質(体の機能を保つ)
・ひじき・・カルシウム(骨や歯の成形を保つ)
・鳥ひき肉・・高タンパク低カロリー
5:冷蔵庫でほんのわずかな時間寝かせることで味が染み込む、きゅうり大根みょうがの塩昆布漬け
きゅうり・みょうが・大根の材料を切ってビニール袋に入れ塩昆布や調味料を入れてモミモミし、あとは冷蔵庫で15分以上寝かせれば、塩昆布から出たじんわりとした味がしみわたって絶妙な漬物になります。手間いらずなのにほんの少しの時間で簡単においしく出来る漬物は、忙しいときの味方ですね。ちなみに大根に多く含まれるビタミンCは、中よりも表面の皮に2倍以上含まれるという統計がありますので、できればきれいに表面を洗って皮ごと漬物にしたいですね。
(この献立の主な栄養素)
・きゅうり・・Bカロテン・カリウム(粘膜や皮膚の健康維持、利尿作用)
・みょうが・・アルファピネン(食欲増進)
・昆布・・カルシウム・ヨウ素(骨や歯の形成を助ける、体の発育を助ける)
・大根・・ビタミンC・食物繊維(美肌効果・整腸作用など)
6:アボカド&納豆のスタミナ丼
節約食材の代名詞とも言える「納豆」を使った献立です。納豆だけでなく、栄養豊富なアボガドを使ってミネラルとビタミンたっぷりな新和食定番のスタミナ丼はいかがですか?
アボガドは1個100円前後で手に入るので「ちょっと最近疲れたなあ・・・。」というとき、アボガド納豆丼をぜひ作ってみてくださいね。
作るときのポイントは、アボガドをカットした際に変色を防ぐためにレモン汁をかけておくというところです。レモン汁をかけないとカットした後すぐに黒く変色してしまいますので注意してください。そして納豆とカットしたアボガドを混ぜ、仕上げにネギをトッピングすることでさらに風味豊かに仕上げます。
(この献立の主な栄養素)
・アボガド・・不飽和脂肪・カリウム(コレステロールが低い脂肪・むくみをとる)
・納豆・・大豆イソフラボン・ミネラル(肌の新陳代謝を促進する・貧血予防・動脈効果予防)
・ネギ・・ビタミンA・C(冷えた体を温める・疲労回復)
7:鯖のフィーレで作る、簡単サクッと竜田揚げ
お魚の中で年中手に入りやすく、なおかつ値段が安定しているものといえば「鯖」ですよね。
鯖はなんといっても栄養豊富。青魚の代表として知られる鯖には、不飽和脂肪酸と呼ばれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。どちらもあまり詳しく知らない人も多い栄養素ですが、これらは血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、血液を流れやすくするという働きがあります。
安くて庶民の味方なのに、栄養豊富なのが鯖を代表とする青魚。「青魚は積極的に食べたほうがいい。」というのは、ずいぶん昔から聞く話ですが、それにはきちんと理由があるのですね。
塩焼きにするよりも一手間加えて「竜田揚げ」にすれば、うまみも閉じ込めることができてサックサクの出来立て料理が味わえます。しかも事前に調味料を配合してジッパーつきの袋に入れ、下味をつけておいてから油で揚げるだけなので手間いらず。
(この献立の主な栄養素)
・鯖・・EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)

8:おつまみにもぴったり、なすの味噌チーズ焼き
とろっとろに溶けた味噌とチーズがなすの甘みを引き出してくれる一品。なすは水にさらしてアクを抜いておき、弱火で蒸し焼きにしておきます。それから耐熱容器に載せてオーブンで焼けば完成。
甘辛味噌とチーズのハーモニーがたまらない絶品のおつまみが完成です。なすは夏野菜ですが、今では年中出回っているので安く手に入りますね。お味噌はたくさんの栄養素が詰まった、和食には欠かせない調味料です。味噌は日本古来から伝わる栄養豊富な自然食です。味噌をお味噌汁で飲むだけではなく、お料理にもアレンジして積極的に摂るようにしたいですね。
(この献立の主な栄養素)
・なす・・アントシアニン、鉄(目の疲労を改善する、貧血予防)
・チーズ・・カルシウム(骨や歯を丈夫にする)
・味噌・・ビタミンE、リノール酸(美肌効果、メラニンの生成を抑制する)
9:隠し味の生姜がポイント。厚揚げとキャベツの炒め物
「料理経験がなくても簡単にできる料理」といえば、まずは「炒め物」が思い浮かびます。「キャベツの炒め物」は誰もが一度はトライするレシピですが、栄養たっぷりで食材を浮かすことができる献立に変身するには、いつでも手に入る激安食材の「厚揚げ」を活用してみましょう。
厚揚げは一見地味な食材ですが、実力がすごいんです。「葉酸」と呼ばれる栄養素が豆腐の2倍も含まれています。もちろん豆腐同様にたんぱく質やカルシウムもたくさん含まれていますので、体を作るには欠かせない食材です。
「厚揚げは煮物に使うものじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は炒めてもおいしいのが厚揚げです。ただ炒めるだけではあっさりめの味付けになってしまいますので、ここではごま油と生姜チューブを混ぜておき、最後に回しかければ出来上がり。
(この献立の主な栄養素)
厚揚げ・・葉酸・カルシウム・たんぱく質(妊婦の栄養バランスを助ける・骨や歯、体をつくる)
キャベツ・・ビタミンC、食物繊維(免疫力を高める、美肌効果、整腸作用)
10:液体塩麹が決め手。エコな和風スープ
レタスやキャベツの外側の葉、捨てていませんか?外側の葉はゴワゴワして食べにくいですが、たくさんの栄養が詰まっているので捨てるなんてもったいない!うまく活用すれば、栄養たっぷり和風スープに変身します。
レタスに含まれる「水溶性ビタミン」というものは熱に弱く、そのため「生で食べるのが一番だろう。」と思われています。しかし、水溶性だからこそ、「水に溶け出したビタミンをスープで摂る。」というのが正しい食べ方。レタスの葉はスープにして大正解なんです。
冷蔵庫整理で出てきたレタスやキャベツの葉、そして人参などの野菜を刻んで煮込みます。このとき、丁寧にアクをとるようにしてください。アクをとってきれいな澄み切った状態になれば、豆腐を入れて「液体塩麹」を入れて、しょうゆなどでさらに味付けします。液体状の塩麹を使えば特有のくさみも抑えられて気軽に料理に使うことができます。昆布だしのスープと塩麹の絶妙なバランスは、野菜の甘みと溶け合って、最高に「激ウマでエコ」な節約レシピの完成です。
いかがでしたか?簡単で激ウマな和食はこんなにたくさんあります。一人暮らしをスタートした方や、毎日仕事に追われる社会人の方・共働きで主婦業とお仕事のどちらもがんばっている方、お忙しい日々の中でも「栄養素を基準に考えれば、手間をかけなくても簡単においしい和食が作れる!」ということをヒントにして、毎日の献立を色々工夫してみてくださいね。