

日本で優秀な学生が最も集まるのが東京大学です。その東大生はどのような本を読んでいるのでしょうか。
数年前には「東大生に1番読まれている本」と帯に書かれた本がベストセラーになるということもありました。
今回は「東大生協で売れている本ベスト10」をご紹介したいと思います。(2016年3月1日現在)
東大生協を利用しているのはほとんどが東大の学生と教職員です。東大生や東大の教職員がどんな本を読んでいるか見てみましょう。
今回は「新書編」です。
第10位|ユーロ危機とギリシャ反乱
本書では、ヨーロッパ経済の低迷とギリシャ左派政権の行動の意味が説かれています。そのポイントは3つ。
第一に、「EU」という枠組みはまだ過渡的なものであること。第二に、完成形でないがゆえに「綻び」(ドイツ経済の一人勝ち現象など)が起きていること。第三に、ヨーロッパ域内で富を再分配する仕組みがまだ完成していないことが指摘されています。
ユーロ危機とギリシャ反乱 (岩波新書)
第7位(同率)|戦略がすべて
あらゆる世界にはルールがあり、成功の方程式が存在する。ルールを抑え、方程式を攻略するには「戦略」が必要になる。「戦略」さえ身につければ、世界をコントロールする側に立てる…
こうした筆者の主張が、様々な題材(AKB48、オリンピック、就職活動、炎上商法など)を使って解説されています。いかにも東大生が読みそうな「勝者の書」ですね。
戦略がすべて (新潮新書)
第7位(同率)|理科系の作文技術
「主題について述べるべき意見と事実を選び抜く。」「意見と事実を峻別する。」「文と文は連結されている。」だったり
「連結の先に結論がある。」「不要な言葉を削れば、言いたいことが明確になる。」など理科系に限らず、広く通用する作文技術がこの本を読むことで身につきます。
理科系の作文技術 (中公新書 (624))
第7位(同率)|日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか
第二次世界大戦が勃発した要因の一つは、日本の石油輸入を絶った経済封鎖にあることはよく知られているところです。しかし、血眼になって探した油田が目の前にありながらも、見つけることが出来なかった原因はよく知られていません。
数々の油田を見逃してしまった原因と、そこから得られる教訓を本書から学ぶことができます。
日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか (文春新書)
第6位|スーパーヒューマン誕生!
「ありえないこと」を言い換える表現として「マンガの世界」という言葉があります。これまでは「マンガの世界とは、現実で起こっていることではなく空想である。」というのが常識とされてきました。
しかし、人間拡張工学の発展が今までの常識を覆しつつあります。本書では「鉄腕アトム」や「AKIRA」など「マンガの世界」のできごとが、現代工学の力によって現実のものとなりつつあることが紹介されています。
スーパーヒューマン誕生! ―人間はSFを超える (NHK出版新書)
第5位|自分では気づかない、ココロの盲点
心理学の理論がクイズ形式で学べる新書です。脳には「勘違い」をする思考回路「認知バイアス」がそなわっています。勘違いとはいえ、認知バイアスは人間の意思決定に大きな影響を及ぼすもの。現代では商品開発やマーケティングにこの認知バイアスが応用されつつあります。
本書で認知バイアスを学べば、自分の思考のクセや他人の心の動きを理解することができるでしょう。
自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)
第4位|東京大学第二工学部
わずか9年間しか存在しなかった東大の「幻の学部」が明らかにされます。東京大学の第二工学部は戦時中の1942年に開学され、1951年には閉学となりました。
第二工学部は戦後、著名企業のトップや重役に名を連ねる貴重な人材を輩出する光の側面を持つ一方で、「戦犯学部」と蔑称されたという負の側面を併せ持ちます。第二工学部の知られざる実態を詳らかにすることで、戦後日本の歩みも学ぶことができます。
東京大学第二工学部――なぜ、9年間で消えたのか (祥伝社新書)
第3位|中世社会のはじまり
日本が天皇を中心とする中央主権的な古代国家から、権力が分散化し、せめぎ合う時代へと移行した中世社会が描かれています。本書の特徴は、淡々と歴史の網羅的記述が展開されているのではない点にあります。
しばしば中世の文学作品(日記、芸能、絵巻など)からの引用が記されていて、しかもその引用が中世社会の展開を象徴的に示しています。本書は現代にもつながる日本文化の基礎を作り上げた中世社会を学ぶ最適な書物と言えます。
中世社会のはじまり〈シリーズ日本中世史 1〉 (岩波新書)
第2位|シャルリとは誰か?
2015年に発生した仏誌『シャルリー・エブド』襲撃事件。その後に発生した「私はシャルリ」デモ。デモは「表現の自由」を掲げて行われました。
筆者はそうしたフランス人の行動を「自己欺瞞的」「排外主義的」であると切り捨てます。パリISテロの伏線となる「フランス社会の危機」の本質について学ぶことができる書籍です。
シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)
第1位|「文系学部廃止」の衝撃
2015年6月、文部科学省が出した一通の『通知』が衝撃を与えました。そこで伝えられたのは「文系学部廃止」。騒動を引き起こしたこの『通知』は、国の理系偏重と文系軽視の姿勢を端的に示すものです。
文系が役に立たないという常識が誤りであること、文系の「知」の重要性と普遍性を本書から学ぶことができます。二者択一的思考に陥らない思考を身につけられる良書です。
「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書)
まとめ
最高学府のエリートたちが読む「新書」のベスト10、いかがだったでしょうか。東大生といっても、私たちと同じ時代に生きる人間です。同じニュースに接し、同じことに興味関心を持っています。皆さんも東大生が読む書籍を読んでみて、彼らの思考をトレースしてみませんか。

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